仏教本の選び方:宗派に注目して選んでみよう

本屋さんに行くと、仏教について書かれた本がたくさん並んでいます。が、多すぎて、何を基準に選べばいいのか分からないですよね。そんなとき、目安となるのが、著者の宗派です。

仏教は宗派ごとに教えの捉え方や実践の仕方が大きく異なります。まず著者プロフィールを確認してみてください。 著者が僧侶の場合、肩書きに〇〇宗僧侶と書かれています。大学の先生であればで、一つの目安として、

  • 仏教大学:浄土宗
  • 大正大学:浄土宗・天台宗・真言宗豊山派・真言宗智山派
  • 立正大学:日蓮宗
  • 駒沢大学:曹洞宗

と所属大学である程度の方向性が分かります。

私がオススメする浄土宗入門書!

今回、ご紹介する3冊は全て浄土宗僧侶の著作や監修であり、浄土宗について知りたいな』という方に自信をもってオススメできる3冊です。 実際、私も法話資料作るときにとても参考にしている3冊です。

1冊目 善光寺布教師会会長監修 「日本人として心が豊かになる仏事とおつとめ浄土宗」

服部淳一上人監修

浄土宗大本山の善光寺大本願で布教師会会長(当時)をお務めになった服部淳一上人監修の

「日本人として心が豊かになる仏事とおつとめ浄土宗」

この本は、お仏壇のしつらえ、お経や法要の意味から、合掌の仕方、お数珠の付け方など、檀信徒の皆様が疑問に思うところが簡潔にまとまっています。イラストも豊富で、通仏教的な説明に合わせ「浄土宗では…」という解説が入るので一般教養としての仏事とともに、浄土宗の考え方がつかみやすいです。

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ちなみに

「日本人として心が豊かになる仏事とおつとめ」シリーズは他宗派版(真言宗や浄土真宗など)もあります。

2冊目 浄土宗の歴史と用語解説が分かりやすい 「図解あらすじでわかる!法然と極楽浄土」

林田康順上人著

さらに『浄土宗の歴史や法然上人について詳しく知りたいな』という方には大正大学教授林田康順先生著の

「図解あらすじでわかる!法然と極楽浄土」がオススメ。

この本は大きく2部に分かれており、第一部は浄土宗を開いた法然上人の生涯、第二部は浄土宗でよく使われる仏教用語について書かれています。浄土宗を開いた法然上人ってどんな人なの?浄土宗はどういった教えなの?極楽浄土って何?ということが、用語ごとに簡潔に書かれています。

著者の林田先生は、講師としても著名な方、私も修行中から何度もお世話になっております。

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3冊目 浄土門主監修の図解雑学「法然」

図解雑学「法然」
え?図解雑学・・・
と思われるかもしれませんが、この本

浄土門主伊藤唯真猊下が監修されてます!

なので、絶対間違いないです!

法然上人ってどんな方で、なぜ浄土宗を開かれたのか。その一生が書かれています。
浄土宗入門の最初の1冊として、一番適しています。が現在、欠品中のお店が多く、新品はなかなか手に入らない状況です。もし見つけたら即購入を!

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私も失敗してました

こうじりゅうじ

僧侶になると決めたとき「仏教を勉強しよう!」と本屋さんに行ってみると、

仏教本が何百冊とあり、どれを選べばいいか分からない。

当時は宗派ごとに考え方が異なるなんて思ってもいなくて、

「まぁ適当に平積みしてるやつでええか」とよく考えずに買ってました。

今、当時買った本を見返すと他宗派の先生が書かれたものがいっぱい、、、、

勉強にはなりましたが、「それぞれ言ってること違う!」と頭の中が大混乱になった思い出・・・

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この記事を書いた人

副住職こうじりゅうじ

浄土宗善立寺副住職
大正大学地域構想研究所客員研究員
元エンジニアで寺院のデジタル化を推進する
寺院ITアドバイザーとしても活動している
ScanSnapアンバサダー/認定DXアドバイザースペシャリスト