『法然と極楽浄土』展
浄土宗開宗850年を記念して、東京国立博物館、京都国立博物館、九州国立博物館で『法然と極楽浄土』展が開催されます。ということで、先日、東京国立博物館の展示に行ってきました。
浄土宗を物語る名宝の数々
残念ながら展示のほとんどが写真撮影禁止でしたので展示内容については東京国立博物館公式サイトに掲載されていますのでこちらをご覧ください。
法然上人直筆のお手紙「源空証空直筆消息」や浄土宗の最も大切な書物『選択本願念仏集』、増上寺の羅漢図、徳川家康公の念仏掛け軸など浄土宗の歴史を物語る充実した内容でした。
個人的には推しの源智上人が建立した阿弥陀如来像や熊谷直実公の書など、法然上人在世のお弟子さんたちの息遣いを感じる書に心躍りました。また、中世以降、徳川家の庇護のもと、いかにして浄土宗が発展していったのか、徳川家康の書や幕府による寄進など、当時の将軍家の力を感じるものが数多く出展されていました。
さぬき法然寺の立体涅槃図
唯一写真撮影OKだったのが香川県高松市の法然寺様の「立体涅槃図」です。これは釈尊が亡くなる(涅槃)に入るお姿を表した仏像群で、一般的には絵画で描かれる涅槃の様子を立体的に表現した大変めずらしいものです。
釈尊入滅を悼みに世界中から動物がやってきています。そこには獅子や竜など想像上の動物から、蛇やカワウソからカタツムリまでいます。
素知らぬのネコ
釈尊の入滅に多くの動物が集まる中、ネコだけが全く興味がない模様。意図的な展示なのかはわかりませんが釈尊入滅時に釈尊の病気を治す薬袋を取りに行ったネズミをネコが捕まえてしまったから。といった逸話から、多くの涅槃図ではネコが描かれません。この立体涅槃図でもいい表情をしております。
多くの涅槃図で描かれないネコですが、昔からネコ好きの仏画師も多かったようでこっそり描かれていることも多いです。また、涅槃図を書いている絵描きさんのためにネコが貴重な顔料を持ってきたからネコを入れた。経典をかじるネズミを退治してくれるから描いた。といった話があるなど、涅槃図とネコは話題に事欠きません。
京都→九州で巡回展が始まります
残念ながら東京国立博物館の展示は2024年6月に終了してしまいました。しかし、京都国立博物館と九州国立博物館で巡回展が行われます!京都は法然上人が実際にお住みになったところ、そして九州は浄土宗2祖聖光上人がいらしたところなので地域ごとの展示も実に楽しみです!みなさまもぜひご来場のほどを!
会場 | 日程 |
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京都国立博物館 | 2024年10月8日(火)〜12月1日(日) |
九州国立博物館 | 2025年10月7日(火)=11月30日(日) |