令和4年1月7日、善立寺の年始法要である『修正会(しゅしょうえ)』を執り行いました。感染症対策として本年も法要・法話のみとし、新年会は中止とさせていただきました。久しぶりにお会いできることを住職も私も楽しみにしておりました。みなさまと共に昨年を顧み、穏やかな一年を祈念できたことが何よりでした。

修正会(しゅしょうえ)

修正会とは『月にめる法』のことで平安時代から広くおこなわれています。善立寺では毎年1月7日に執り行います。修正会浄土宗解説

手を合わす、それは誰かを想うとき

テレビをつければ誰かだ誰かの批判をし、常に誰かが怒りの声を上げています。怒りを発散するために、批判の矛先を探し求めているようにも思えます。

怒りは炎のように他人に伝播し、立ちどころに燃え広がってしまいます。そして、気がついた時には、私たち心には空虚な焼け野原だけが残ります。

怒りは広まりやすいからこそ、私たちは意志をもって怒りから離れる必要があります。

テレビを消し、お仏壇でみ仏と向かい合い、手を合わせるとき、どなたの顔が浮かぶでしょうか。その方はどんな表情をされていますか?

南無阿弥陀仏とお念仏をお唱えをする時、聞こえるのはお念仏の声だけです。怒りから離れた静寂な時間は今生においてとても貴重なものです。

手を合わせ、お念仏を唱えるとき、故人を想い、現世の安寧を願う気持ち、私たちの中にもそういったじんわりとした温かな気持ちがあること。他人を想い、思いやる気持ちがあることを思い出す、今年もそんな時間を育み、共に過ごしてまいりましょう。

南無阿弥陀仏

善立寺副住職
小路竜嗣

この記事を書いた人

副住職こうじりゅうじ

浄土宗善立寺副住職
大正大学地域構想研究所客員研究員
元エンジニアで寺院のデジタル化を推進する
寺院ITアドバイザーとしても活動している
ScanSnapアンバサダー/認定DXアドバイザースペシャリスト