こんにちは。善立寺副住職小路竜嗣です!
今日は品川区五反田のsafie(セーフィー)さんにやって来ました。
safieって何?
safieは2014年創業のクラウド録画型防犯カメラプラットフォーム「safie」を開発・運営する企業です。
2017年9月には、オリックス・関西電力・キヤノンマーケティングジャパン・NECキャピタルソリューションが運営するファンド、ティーガイアと資本業務提携を行い、9.7億円の資金調達を実施する(関連記事)など、いま大注目のベンチャー企業なんです!
では、safieを導入している企業を挙げてみましょう。
H.I.S.、オートバックス、ソネット、ソフマップ、IHI、モノタロウ、パナホーム、自遊空間などなど……
大手建設から小売、飲食店業界など多種多様な業界で導入されています。
では、これまでの防犯カメラとは異なるsafieの特徴とはなんでしょうか。
関連記事:safiewebサイト:導入事例の紹介
safieの特徴は?
safieはクラウド録画型の防犯カメラプラットフォームです。
従来の防犯カメラで必須だった記録用ハードディスクや複雑な映像配線・モニターなどの録画機材は必要ありません。
光回線のインターネット環境さえがあれば設置後すぐに使えます。
映像はクラウド上のサーバーに自動で保存され、PC、タブレット、スマートフォンからいつでも見ることができます。
録画機材が不要なので、これまでの防犯カメラと比べ、初期導入コストをかなり低くすることができます。
料金は定額制(サブスクリプション)
safieの料金は定額制(サブスクリプション)です。
金額は映像を保存する期間によって異なります。
- 7日間の保存:1200円/月
- 30日間の保存:2000円/月
とユーザーが必要性と予算に応じて保存期間を選ぶことができます(料金プラン)
既に導入しているお寺もあり、safie内には浄土宗浄楽寺様の事例が紹介されています。
なぜsafieに期待するのか
安心・安全のため
ここ数年、寺社に油がかけられるという被害が多数ありました。
残念ながらごく普通の寺院においても、賽銭泥棒や空き巣などの被害が毎年のように報告されています。
人の出入りが多いお寺だからこそ、皆様に安心してお参りしていただくためには対策が必要です。
防犯カメラを設置している寺院もありますが、これまでの防犯カメラは設置費用が数十万円、場合によっては数百万円かかりました。
これは中小規模の寺院とって大きな負担であり、なかなか導入できるものではありません。
このように、お寺にとって、防犯カメラは「必要性はある。しかし費用が高く導入できないもの」でした。
これからの寺院護持のため
現在、過疎化や後継者不足により1人のお坊さんが複数の寺院を管理する「兼務寺院」が増えています。日頃の管理はもちろん、台風などの風水害などが起きた場合は2つの寺院の対応に追われてしまいます。
今後ますます兼務寺院が増えていく中で、どのように寺院を安全に護持していくのか。
私はこれらの課題をsafieが解決してくれるのでは。と期待しています。
それでは早速、CEOの佐渡島隆平さん、広報の鈴木章子さんにお話を伺ってみましょう。
関連記事
世界遺産に“油”相次ぐ…誰が何のために?(日テレNEWS24)
wikipedia寺社連続油被害事件
CEO佐渡島隆平さんに伺いました
副住職小路竜嗣(以下、小路)
本日はよろしくお願いいたします。
まず御社の沿革について教えていただけますか?
CEO 佐渡島隆平(以下、佐渡島さん)
弊社の基となったのはソニーグループ内の顔認識や機械学習を研究する部門です。
創業のきっかけは、私自身が家庭用の防犯カメラを導入しようとしたときのことです。
当時の防犯カメラは、コストは高いが性能は低く、セキュリティも脆弱なものばかりでした。
そこで、ユーザーに合った使いやすくセキュアなサービスを作りたいと思い、2014年にsafie株式会社を設立しました。
safieは映像プラットフォーム
佐渡島さん
よく”防犯カメラメーカー”と呼ばれることがありますが、実は弊社ではハードウェアとしてのカメラは開発しておりません。
弊社が開発しているのは、カメラのOSにあたるソフトウェアとクラウドサーバーのプラットフォームです。
私どもが開発したソフトウェアをカメラメーカーに無償提供し、どの企業も使える映像プラットフォームを運用しています。
現在はelmo社製カメラとAxis Communications社製カメラが対応しております。
safie対応カメラには屋内型、屋外型、有線LANモデル、無線LANモデルなどのカメラタイプがあります。
・屋内無線LANモデル(ELMO QBIC CLOUD CC-2)
・屋内無線LAN+有線LANモデル(ELMO QBIC CLOUD CC-2L)
については、safie直販サイトにて直接購入し、個人で取り付け可能です。
その他、屋外モデル等についてはお問い合わせください。
置いておけばどんどん賢くなるカメラ
佐渡島さん
safieのサービスコンセプトは「置いておけばどんどん賢くなる」です。
お客様からご要望が多い機能を追加したり、ユーザーインターフェース(UI)を日々アップデートしています。
こういった細かなアップデートはクラウドサービスのsafieだからこそできることです。
ユーザーの皆様はスマホやPCから常に最新の機能を使うことができます。
4年間使って感じる進化
小路
実は私、safieさんが2014年に行ったクラウドファンディングに支援し、4年間safieを使っています。
たしかに佐渡島さんがおっしゃったように、この4年の間で機能やUIがアップデートされてきました。
例えば動体検知や動体検知エリア設定などの新機能。映像を閲覧するスマホアプリのユーザーインターフェース(UI)も改良され、使いやすくなっています。
従来の防犯カメラだと買ってしまえば、あとはいかにそれを保守していくか。
というのが当たり前の考え方でしたが、
”使うほど使いやすくなる”というのがsafieの良さだと実感しています。
関連記事
当時のクラウドファンディング企画
75万6千円の募集に対し、850万円を超える支援が集まりました。
【makuake】手軽に安心を届けたい。カメラとスマホではじめるホームセキュリティ『Safie』
工事について
小路
事前にfacebookグループ「テラデジ」内でsafie導入の際、気になることをお坊さんたちに聞いてみました。
その中で最も多かったのが「工事・設置について」です。
たしかに、お寺にはできれば穴を開けたくない場所があったり、増改築により配線が複雑であったりと
「お寺の造りをよく知っている出入りの業者さんにお願いしたい」という気持ちがあります。
お寺が指定する施工業者にsafieの設置工事をお願いすることはできますか?
佐渡島さん
はい。もちろん可能です。
ご指定の施工業者様がいらっしゃる場合、業者様のご連絡先をお教えいただければ、弊社からサポートやレクチャーを行いますので、ご安心ください。
お客様にご指定の施工業者様がいらっしゃらない場合は、弊社提携の施工業者もご用意できます。
弊社では、これまで空港やホテルなど大規模な事業所様にも導入しており、そこで培ったノウハウもありますので、お気軽にご相談ください。
また、safieは100V電源もしくはPoE(※2)対応LANケーブルのどちらか1本挿せば稼働しますので、工事自体は複雑ではありません。
※2 PoEとは
Power over Ethernetのこと。LANケーブルから電力供給ができる技術。広く普及しています。safieに関して言えば、PoE対応のLANケーブルさえ接続すればカメラが稼働します。コンセントは不要です。
インターネット環境がよく分からない場合は調査も可能
小路
そもそも「うちのお寺のネット環境がよくわからない」というご寺院様もいらっしゃると思います。
そういった寺院に対し、インターネット環境の診断や工事調査はしていただけますか?
佐渡島さん
はい。可能です。
有償になりますが現地調査を行っています。
ネットワーク環境や設置するカメラの種類・工事方法のご相談も含め、お伺いいたします。
お気軽にお問い合わせください。
関連記事:safieお問い合わせページ
セキュリティについて
小路
次に心配なのはセキュリティについてです。
クラウドの場合、第三者に映像を盗み見られるのではないかという不安があります。
佐渡島さん
はい。たしかにセキュリティについて不安に感じられるかと思います。
safieはオンラインバンクレベルの暗号化通信を行っております。
通信中に映像を誰かに盗み見られることはありません。
導入実績として国内の空港でもsafieをご利用頂いておりますので、ご安心いただければありがたいです。
通信セキュリティは万全を期していますので、ご利用のIDとパスワードだけはご自身で管理をお願いいたします。
関連記事:高いセキュリティで安心のネットワークカメラ。セーフィーのセキュリティ設計について
インターネット回線が無くても使えるsafie GO!
小路
お寺ではインターネット環境がない場所に防犯カメラが欲しいことがあります。
例えば、遠く離れたお堂や駐車場など。
このような場所にsafieを設置することはできますか?
佐渡島さん
はい。弊社のsafie GO(セーフィーゴー)という製品にはdocomoのLTE回線が内蔵されており、電源さえ接続すれば使うことができます。
本体の固定にはネジ止めや単管パイプに設置できます。
ただ、LTE回線利用料が含まれるため、通常のsafieとは異なる月額料金プランになっておりますのでご了承ください。
1台あたり月額5500円(LTE回線料金含)となっております。
関連記事:「高スペック・コンパクト・低価格・電源のみで簡単設置」 LTE回線利用のクラウド録画型カメラ「Safie GO」提供開始
小路
おお!単管パイプにも付けられるのは魅力ですね。
電灯ポールに取り付ければ電源も確保できますし、一石二鳥になりそう。
safie GOはどのような業界に需要があるのでしょうか?
佐渡島さん
現在、建設業界で数多く導入いただいております。
防犯のためという理由もありますが、
それ以上に現場監督の方が施工状況を確認したり、資材が予定通り到着しているかなどの確認に活用していただいております。
関連記事:LTE搭載で電源に差し込むだけで設置できる!現場監督によるSafie Goの次世代活用法(細田建設株式会社)
広報 鈴木章子さん(以下、鈴木さん)
ちなみにSafie GOは重量1.7kgと、私でも片手で軽々持てます。
展示会などでブース設営するときは私一人でパイプに固定して、接続もできます。
接続の確認も手持ちのスマホやタブレットからできるので、ほんとこれだけあれば使えます。
小路さん、どうぞ持ってみてください。
小路
おお!軽いっ!見た目から金属の塊かと思いましたが、軽いですね!
これなら簡単に設置できそう。
実は災害にも強いsafie
佐渡島さん
オンプレミス(※施設内で機材を管理する方法)では燃えてしまったり、水没してしまうとデータの回収が不可能です。
しかし、safieを使えば、災害が起こっても現地に行く必要なく、遠隔地から状況を確認できます。
停電時でも、映像がクラウドに保存されているため、電源が消失する瞬間までの映像を見ることできます。
実際、あるユーザー様は7月の大阪北部地震の際、被災した大阪事業所の状況を東京から確認したそうです。
また、茨城県稲敷郡美浦村では氾濫しやすい高橋川にsafie Goを設置し、youtubeでリアルタイム公開し、避難勧告の目安として活用されています。
鈴木さん
電話回線がパンクして、SNS上でも情報が錯綜するような状況下で、現地の状況を映像で確認できるというのはsafieの大きなメリットですね。
関連記事:河川の氾濫をYouTubeライブで映像配信して監視。地域住民の安全を守るセーフィー活用術(茨城県稲敷郡美浦村)
兼務寺院の「困った」を解決できる
小路
現在、過疎化や跡継ぎ不足により1人のお坊さんが複数の寺院を管理する「兼務寺院」が増えています。
たとえば、長野の場合、雪が降ったとき、雪かきが必要なほど積もっているのかどうかを確認するためだけに、十数キロ離れたお寺に行かなければいけないということがあります。
また、日常生活でも、あるかどうかさえ分からない郵便物を確認しに行かなければならないという「困った」があります。
sefieがあればこういった課題を解決できるでしょうか?
佐渡島さん
境内にsafieやsafie GOを設置していただければリアルタイムで積雪状況を確認することができます。
また、郵便が来ているかどうかについても、郵便受け部分を動体検知エリアに設定すれば、郵便受けに近づいたものを検知してスマホにリアルタイムに通知を送ることは現在の機能でも可能ですね。
また「こういう問題、解決できますか」という要望があれば、どんどんおっしゃっていただければ、ありがたいです。
実際、私も自宅の玄関前にsafieを設置していますが、「あ。郵便屋さん来たなー」とか「子どもたちお出かけしたんだー」と確認できるのは親として非常に安心です。
防犯だけじゃない!業界に応じた新機能の開発!!
佐渡島さん
たとえば先日、飲食店のPOSレジと連携できるようになりました。
小路
え?なぜPOSレジと連携するんですか?私にはメリットがよく分からないですが。。。
鈴木さん
既に飲食店業界のお客様に多数safieを導入していただいております。
これまでは、POSレジの上部にsafieを設置し金銭トラブルを防ぐためにご利用いただいておりました。
しかし、どうしても従業員による釣銭着服(内引き)という問題があるそうで、その抑止にsafieを活用できないかとご相談を受けました。
佐渡島さん
そこでPOSレジのシステムと連携し、
・いくら入金したのか
・いくら出金したのか
・おつりはいくらなのか
などの情報をレシートNoとともにsafie上に表示する機能を開発しました。
これによりトラブルが生じても、すぐに映像を検索することできます。
思ってもいない活用方法
小路
そんな使い方、全く想像していませんでした。
ただ防犯のためだけじゃないんですね。
佐渡島さん
そうですね。ユーザー様がご自身で新しい活用方法を発見されています。
例えば、山形県の谷地八幡宮様では、お祭りの様子をタイムラプス映像にしてTwitter上で公開されています。
小路
これはお祭りの楽しげな雰囲気が伝わってきておもしろいですね!
盆踊りの設営とかまとめたら楽しそうだなぁ。
佐渡島さん
細田建設様は建設されていく様子をタイムラプス映像にまとめられました。
この動画を竣工式の際、お披露目したところ大好評だったそうです。
小路
ええ!これ、建ててらっしゃるのは神社ですよね!
これは後世に伝える資料としても面白いですね!
先日、善立寺でも永代供養塔を建立したのですが、建設過程をsafieで撮影しておけばよかったです。。。
私もsafie使っているのに、こういった使い方全く思いつきませんでした。。。
タイムラプス機能、意外と使えそうです。
佐渡島さん
実はsafieにタイムラプス機能を追加したのは、この細田建設様のような事例があったからなんです。
皆様、私たち運営側も予想していなかった活用方法を発見されていて嬉しいですね。
これからも「こういう機能があったらいいな」というご要望があれば言っていただければありがたいです。
これからsafieでできること
小路
お話を伺っていると、防犯用途だけではなく、safieには様々な活用方法があると感じます。
最後に今後の展望についてお教えいただけますか?
佐渡島さん
safieは社会課題が集まるサービスだと感じております。
建設業界を例に挙げると、現在の機能では施工が予定通り進んでいるのか、複数の現場を見て回る必要なく確認できます。
これからは夜間は防犯のために、指定エリア内で動体を検知するとスピーカーから警告音を出す。ということも。
人工知能(AI)と連携して、立ち入った物体が人か動物かも判定する。ということも可能になっていくでしょう。
お寺で言えば、先ほどの兼務寺院の雪課題については、safieが自動で「雪が降ってます」と教えてくれるようなことも技術的に可能になっていきます。
そのように、safieが人間の目・耳・口の代わりとなり、さらに人工知能と連携することで、私たちの社会が抱える課題を解決していきたいです。
小路
事前にsafieさんの技術について調べてからこのインタビューに臨みましたが、予想を上回る新技術の数々で驚きっぱなしでした。
お話を伺いながら「お寺だったらこう使えるんじゃないか」「こういう課題も解決できるんじゃないか」という期待がいっぱい湧いてきました。
これからも応援しております。本日はありがとうございました。
佐渡島さん
ありがとうございました。
※本記事は広告記事ではなく、筆者の個人的なインタビューです。この記事に関して、safie株式会社からの利益供与は一切ございません。