木魚はいつから使われた?

みろく

みなさんはじめまして。私はみろくと申します。

あかり

はじめまして。あかりです。

みろく

今日は私たちがお寺にあるおもしろいものを勝手に紹介します。
本日ごしょうかいするのはこちら!

じゃん!

みろく

みなさんもご存知!木魚です!

あかり

お寺と言ったら木魚だよね

みろく

そうだね。お寺といえば木魚!
というイメージだけど、実は日本で使われるになったのは
江戸時代になってから
仏教の歴史から考えるとかなり新しいものなんだ。

あかり

えー意外!もっと古くからあると思ってたー

隠元さんがいんげん豆と一緒に持ってきた

みろく

江戸時代、黄檗宗(おうばくしゅう)を開いた中国出身の僧、隠元禅師(いんげんぜんじ/1592-1673)が日本に持ち込んだのが始まりなんだよ。

この隠元禅師、その名の通り、インゲン豆も日本に伝えたんだ。

隠元禅師肖像画(出典wikipediaよりpublic domain)wikipedia:隠元禅師
あかり

木魚とインゲン豆を伝えた人が同じなんだね

みろく

ちなみにインゲン豆の原産はアメリカで、コロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰ったんだ。

その後、ヨーロッパからシルクロードを通って中国に伝わり、日本にたどり着いたのはコロンブスのアメリカ大陸発見からおよそ100年後。

インゲン豆は100年かけて地球をぐるっと一周したロマンあふれる豆なんだ。

写真:Rasbak CC継承3.0 wikipedia:インゲンマメ

木魚はなぜ魚の形をしているのか

みろく

おっと、脱線しちゃったね。話を木魚に戻そう。

お寺にこんな魚のかたちの板がぶら下がっているのを見たことある?

あかり

大きなお寺でたまに見かけるよねこれ

みろく

これは魚板(ぎょばん)と言って、木魚のもとになったものだよ。

現在でも本堂外などに吊り下げられ、起床時や法要などの時間を知らせる合図として用いられているんだ。

あかり

なぜ木魚も魚板も魚のかたちをしてるの?

みろく

それはね、昔は魚にはまぶたがないため、眠らないと考えられてたんだ。

だから、魚は勤勉や精進の象徴として使われているんだよ。

あかり

へー!そんな意味だなんて知らなかったー!

オーケストラにも木魚

みろく

ちなみに木魚は20世紀以降、打楽器として欧米に伝わり、今ではオーケストラでも用いられてるよ。

西洋では”木魚”ではなく、「テンプル・ブロック」、「ウッド・ブロック」と呼ばれてるんだ。

あかり

ウッドフィッシュではないので

by Qniemiec CC表示-継承3.0 wikipedia:テンプルブロック
みろく

それじゃあ、テンプルブロックが使われている曲をちょっと聞いてみて。実はあるお店で日常的に使われるんだ。分かるかな?

あかり

あ!イオンだ!イオンモールでたまに流れる曲だ!

みろく

そう!実はこの曲、イオンモールのクリーンタイム(清掃時間)で使われているんだ。

あかり

わたし、、、日頃から木魚の音を聞いてたんだ・・・

みろく

そう!今日も日本中のイオンで木魚の音が流れてるんだ。

インゲン豆がアメリカから地球を一周して日本に伝わったように、私たちの文化も世界を周って伝わっているんだ。

お寺には他にも色々とおもしろい物があるんだけど、それはまた次の機会に!

あかり

またね!

この記事を書いた人

副住職こうじりゅうじ

浄土宗善立寺副住職
大正大学地域構想研究所客員研究員
元エンジニアで寺院のデジタル化を推進する
寺院ITアドバイザーとしても活動している
ScanSnapアンバサダー/認定DXアドバイザースペシャリスト